基礎知識

法人とは?種類や個人事業主との違いをわかりやすく解説

法人とは何か、簡単に言うと「法律によって人と同じような権利や義務を認められた組織」のことです。

私たち人間は、生まれた時点で法律上の「人」として認められていますよね。

これを法律の世界では「自然人」と呼びます。

一方で、会社やNPOのような組織は、そのままでは法律上の「人」ではありません。

でも、法律の手続きを経ることで「法人格」が与えられ、人と同じように契約を結んだり、財産を持ったり、裁判の当事者になったりできるようになるんですね。

これが「法人」の基本的な意味です。

法人とは具体的に何ですかと聞かれたら、株式会社や合同会社のような会社だけでなく、NPO法人や一般社団法人、さらには市役所や自治体のような公的な組織まで含まれます。

法人の種類は意外と幅広くて、知恵袋などのQ&Aサイトでも「法人って結局なんなの?」という質問がたくさん投稿されているほど、多くの人が疑問に感じているテーマなんですよね。

この記事では、法人とは何かをできるだけわかりやすく、個人事業主との違いや法人の種類、設立のメリット・デメリット、さらに具体的な例まで、ひとつずつ丁寧に解説していきます。

記事のポイント
  • 1法人とは何かを初心者にもわかりやすく解説
  • 2株式会社・合同会社・NPO法人など法人の種類と違い
  • 3法人と個人事業主・会社・企業の違いを整理
  • 4法人設立のメリット・デメリットと費用の目安

ここからは、法人の基本的な意味や種類、よく混同されがちな用語との違いを一つずつ整理していきます。

法人とは具体的に何ですかという疑問に答える

法人とは、ひと言でまとめると「法律によって人格を与えられた組織」です。

もう少しかみ砕いて言うと、人間(自然人)ではない団体や組織が、法律上「人」として扱われる仕組みのことですね。

たとえば、あなたが個人として家を借りるときは、自分の名前で賃貸契約を結びますよね。

これと同じように、法人格を持った組織は「法人名義」で契約を結んだり、銀行口座を開設したり、不動産を所有したりすることができるんです。

もし法人格がなかったらどうなるかというと、組織として何かを契約するたびに、代表者個人の名前で手続きをしなければなりません。

これでは、代表者が変わるたびに契約を結び直す必要が出てきたり、組織の財産と個人の財産の区別がつかなくなったりして、非常に不便です。

法人という仕組みがあることで、組織そのものが独立した「人」として活動できるようになる、というのが核心的なポイントですね。

法人格とは、法律上の権利や義務の主体となることができる資格のことです。

法人格を持つことで、組織は個人とは独立した存在として、契約の締結、財産の保有、訴訟の当事者になることなどが可能になります。

法人とは会社のことなのかを整理する

「法人って会社のこと?」という質問は、本当によく聞かれます。

結論から言うと、会社は法人の一種ですが、法人イコール会社ではありません

会社というのは、会社法という法律に基づいて設立された営利目的の法人のことを指します。

具体的には、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の4種類が「会社」にあたります。

一方で、法人にはこれら以外にもNPO法人や一般社団法人、医療法人、学校法人など、たくさんの種類があるんですよね。

つまり、法人という大きなカテゴリーの中に「会社」が含まれている、というイメージです。

ちなみに「企業」という言葉もよく使われますが、企業には法人だけでなく個人事業主も含まれます。

経済活動を行っている組織や個人をまとめて「企業」と呼ぶので、こちらはさらに広い概念ですね。

整理すると、こうなります。

企業 > 法人 > 会社

企業は経済活動を行う組織・個人の総称、法人は法律で人格を認められた組織、会社は営利目的で設立された法人です。

法人とは株式会社だけではない理由

法人と聞くと、まっさきに株式会社をイメージする方が多いかもしれません。

実際、日本で最も数が多い法人形態は株式会社ですし、ニュースや求人情報でも目にする機会が圧倒的に多いですよね。

でも、法人の世界は株式会社だけではありません。

近年、注目を集めているのが合同会社です。

合同会社は2006年の会社法改正で導入された比較的新しい法人形態で、設立費用が株式会社より安く、経営の自由度が高いのが特徴です。

実は、AmazonジャパンやApple Japanなども合同会社として設立されているんですよね。

また、営利を目的としない法人もたくさんあります。

NPO法人はボランティアや社会貢献活動のために設立されるものですし、一般社団法人や一般財団法人は、業界団体の運営や文化・学術の振興など、幅広い目的で活用されています。

さらに、医療法人(病院やクリニック)、学校法人(私立の学校)、宗教法人(お寺や神社)、社会福祉法人(介護施設や保育所)なども、すべて法人です。

法人は株式会社だけでなく、社会のさまざまな場面で多様な形態として存在しているということを覚えておくと、法人に対する理解がぐっと深まりますよ。

法人の種類を一覧でわかりやすく紹介

法人は大きく分けると「公法人」と「私法人」の2つに分類されます。

さらに私法人は「営利法人」と「非営利法人」に分かれるので、全体として3つのグループで整理するとわかりやすいですね。

分類 法人の種類 主な具体例
公法人 地方公共団体、独立行政法人、特殊法人など 市区町村、都道府県、日本年金機構、NHKなど
営利法人(私法人) 株式会社、合同会社、合資会社、合名会社 トヨタ自動車(株式会社)、Amazonジャパン(合同会社)など
非営利法人(私法人) 一般社団法人・一般財団法人 業界団体、研究機関など
公益社団法人・公益財団法人 日本赤十字社、各種公益財団など
NPO法人 ボランティア団体、市民活動団体など
医療法人・学校法人 病院、私立学校など
社会福祉法人・宗教法人 介護施設、保育所、寺社など

営利法人は、事業で得た利益を出資者(株主など)に分配することを目的としています。

一方、非営利法人は利益を得ること自体は問題ありませんが、その利益を構成員に分配せず、団体の活動目的のために使うという点が大きな違いです。

「非営利=お金を稼いではいけない」という誤解は多いのですが、実際には事業活動で収益を上げている非営利法人はたくさんあります。

あくまで利益の分配をしないことが「非営利」の意味なんですね。

法人とは個人事業主と何が違うのか

法人と個人事業主は、どちらも事業を営むための形態ですが、法律上の仕組みがまったく異なります。

個人事業主は、税務署に開業届を出すだけで事業を始められるのに対し、法人は定款の作成や登記などの手続きが必要です。

ここでは、主な違いを整理してみますね。

比較項目 法人 個人事業主
法律上の人格 法人格がある(組織が「人」として扱われる) 事業主個人がそのまま主体
設立手続き 定款作成、登記が必要 開業届の提出のみ
責任の範囲 株式会社・合同会社は出資額の範囲(有限責任) 無限責任(個人の財産で弁済)
社会的信用 比較的高い 法人に比べると低い傾向
経費の範囲 役員報酬なども経費にできる 法人に比べると限定的

特に大きな違いは「責任の範囲」です。

株式会社や合同会社の場合、万が一事業がうまくいかなくなっても、出資者の責任は出資した金額の範囲に限られます。

一方、個人事業主の場合は、事業上の債務を個人の財産で返済しなければならないリスクがあるんですね。

もちろん、法人にも設立費用や維持費がかかるというデメリットがありますから、どちらが良いかは事業の規模や目的によって変わってきます。

法人と個人事業主のどちらを選ぶかは、事業の規模、収益の見込み、社会的信用の必要性など、さまざまな要素を総合的に判断する必要があります。

最終的な判断は、税理士や行政書士などの専門家に相談されることをおすすめします。

法人とは何かを知った後に役立つ知識

法人の基本的な意味と種類がわかったところで、ここからはもう少し実践的な内容に踏み込んでいきます。

具体的な法人の例や、設立した場合のメリット・デメリット、気になる費用の話など、法人について調べている方が「その先」で知りたくなる情報をまとめました。

法人の例を身近なケースで確認する

法人と言われても、いまいちピンとこない方のために、私たちの生活の中にある身近な法人の例を挙げてみますね。

営利法人の例

まず、最もイメージしやすいのが営利法人です。

たとえば、近所のコンビニを運営している会社、スマホを契約している通信キャリア、ネットで買い物をするECサイトの運営会社――これらはすべて株式会社か合同会社、つまり営利法人です。

身の回りのほとんどの商品やサービスは、営利法人によって提供されていると言っても過言ではありません。

非営利法人の例

非営利法人も、実は身近にたくさんあります。

お子さんが通っている私立の幼稚園や学校は「学校法人」ですし、地域の介護施設や保育所は「社会福祉法人」が運営していることが多いです。

お正月に初詣に行く神社やお寺は「宗教法人」、地域のボランティア団体は「NPO法人」として活動しているケースがあります。

こうして見ると、私たちの日常生活は、営利・非営利を問わず、さまざまな法人によって支えられていることがわかりますよね。

法人とは市役所や自治体も含まれるのか

これは意外と知られていない事実なのですが、市役所や都道府県などの自治体も法人です

正確に言うと、自治体は「地方公共団体」と呼ばれ、法律上は「公法人」に分類されます。

地方自治法という法律の中で、地方公共団体には法人格が認められているんですね。

市役所が土地を購入したり、建物を建てたり、業者と工事の契約を結んだりできるのは、地方公共団体に法人格があるからです。

もし法人格がなかったら、市長個人の名義で全ての契約をしなければならなくなり、とても現実的ではありません。

同じく、国立大学も「国立大学法人」として法人格を持っていますし、独立行政法人(例:国立病院機構、日本年金機構など)も公法人の一種です。

このように、公法人は国や地域の公的な活動を行うために設立されるもので、私たちが普段「法人」と聞いてイメージする会社(営利法人)とは目的も性質もまったく異なります。

公法人の具体例

地方公共団体(市区町村、都道府県)、独立行政法人(国立病院機構、日本学生支援機構など)、特殊法人(NHK、日本中央競馬会など)、国立大学法人など。

これらはすべて法律に基づいて法人格を持ち、公的な事業を行っています。

法人とはわかりやすく知恵袋でも話題の疑問

Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトを見ると、法人に関する質問が本当にたくさん投稿されています。

「法人とは何ですか?わかりやすく教えてください」という質問は、何年も前から繰り返し投稿されている定番の疑問ですね。

よくある疑問をいくつかピックアップして、ここで回答していきます。

「法人って会社のことでしょ?」

先ほども触れましたが、会社は法人の一部です。

法人には会社以外にもNPO法人や社団法人、自治体なども含まれるので、法人=会社とは言い切れません。

「個人事業主は法人ですか?」

いいえ、個人事業主は法人ではありません。

個人事業主は法人格を持たず、あくまで個人として事業を行っている状態です。

法人になるためには、設立登記などの手続きが必要です。

「非営利法人はお金を稼いではいけないの?」

これも非常によくある誤解です。

非営利法人も事業活動で収益を上げること自体は問題ありません。

「非営利」とは、得た利益を構成員に分配しないという意味であって、お金を稼いではいけないという意味ではないんですね。

「法人と企業は同じ意味?」

厳密には違います。

企業は「経済活動を行う組織や個人の総称」なので、法人だけでなく個人事業主も含まれます。

法人は法律で人格を認められた組織に限定されるので、企業のほうがより広い概念です。

法人を設立するメリットとデメリット

法人を設立すると、さまざまなメリットがある一方で、当然デメリットもあります。

ここでは代表的なものをそれぞれ整理してみますね。

法人設立の主なメリット

まず、社会的信用が高まるという点が大きいです。

法人格があることで、金融機関からの融資を受けやすくなったり、大企業との取引が可能になったりするケースがあります。

個人事業主のままでは取引を断られるけれど、法人にしたら契約できた、という話は珍しくありません。

また、責任の範囲が限定されるのも大きなメリットです。

株式会社や合同会社では、出資者の責任は出資額の範囲内に限られます(有限責任)。

さらに、事業の規模が大きくなってくると、法人のほうが税制面で有利になるケースもあります。

法人設立の主なデメリット

一方で、設立に費用と手間がかかるのがデメリットです。

設立登記のための登録免許税や、定款の認証手数料など、最低でも数万円〜数十万円の初期費用が必要になります。

また、法人は赤字であっても法人住民税の均等割(年間7万円程度が目安)を支払う必要がありますし、決算や税務申告の手続きも個人事業主に比べて複雑です。

税理士や社会保険労務士への依頼費用も考慮すると、ランニングコストは個人事業主より確実に高くなるという点は押さえておきたいですね。

法人化のメリット・デメリットは、事業の売上規模や業種、将来の事業計画によって大きく異なります。

ここで紹介した内容はあくまで一般的な目安です。

法人化すべきかどうかの判断は、税理士や行政書士などの専門家に相談されることを強くおすすめします。

法人の設立に必要な費用と手続きの流れ

法人を設立する場合、具体的にどのくらいの費用がかかるのか気になりますよね。

ここでは、最も一般的な株式会社と合同会社の設立費用の目安を紹介します。

費用項目 株式会社 合同会社
定款用収入印紙代 40,000円(電子定款なら0円) 40,000円(電子定款なら0円)
定款認証手数料 30,000円〜50,000円 不要
登録免許税 150,000円〜 60,000円〜
法定費用の合計目安 約180,000円〜240,000円 約60,000円〜100,000円

上記はあくまで法定費用(手続きに必ずかかるお金)の目安です。

これに加えて、会社の実印の作成費用、行政書士や司法書士への依頼料(5万円〜10万円程度)、資本金などが別途必要になります。

設立手続きの大まかな流れ

法人設立の一般的な流れは、おおむね以下のとおりです。

  • 会社の基本事項(商号、事業目的、本店所在地、資本金など)を決定する
  • 定款を作成し、公証役場で認証を受ける(株式会社の場合)
  • 資本金を払い込む
  • 法務局で設立登記を申請する
  • 税務署、年金事務所、ハローワークなどへ届出を行う

設立登記が完了した日が「会社の誕生日」になります。

手続き自体は自分で行うことも可能ですが、定款の作成や登記申請には専門的な知識が求められるため、初めての方は専門家に依頼するのが安心かなと思います。

設立後に届出が必要な主な公的機関としては、国税庁(税務署)、都道府県税事務所、市区町村、年金事務所、ハローワークなどがあります。

届出先の公的機関の公式サイトについては「法人経営者が必ずブックマークすべき公式サイト10選」で詳しくまとめていますので、あわせてご確認ください。

法人とは何かを正しく理解して一歩を踏み出そう

ここまで、法人とは何かを基本の意味から種類、個人事業主との違い、設立のメリット・デメリット、費用の目安まで、できるだけわかりやすくお伝えしてきました。

改めて要点を整理すると、法人とは法律によって人と同じような権利や義務を認められた組織のことです。

株式会社や合同会社のような営利法人だけでなく、NPO法人や一般社団法人などの非営利法人、さらには市役所や自治体のような公法人まで、法人にはさまざまな種類があります。

法人を設立するかどうかは、事業の規模や目的、資金の状況などによって最適な判断が変わってきます。

大切なのは、法人の基本的な仕組みを正しく理解した上で、自分の状況に合った選択をすることですね。

この記事で紹介した内容は一般的な情報であり、個別の事情によって判断は異なります。

法人の設立を具体的に検討されている方は、正確な情報を各公的機関の公式サイトで確認するとともに、税理士や行政書士などの専門家に相談されることを強くおすすめします。

法人とは何かを知ることは、ビジネスの世界を理解する第一歩です。

この記事が、あなたの「次の一歩」を踏み出すきっかけになればうれしいですね。

-基礎知識